秋田県大仙市荒川鉱山
荒川鉱山は明治、大正期を代表する銅山で、昭和初期には閉山してしまった。現地には、選鉱場などが残されており、往時を偲ぶことができる。さて、鉱物の産地として見ると、荒川鉱山は熱水鉱脈型の鉱床で、域内のあちこちに、有用金属を伴うか否かに関わらず、熱水脈すなわち石英脈が見られるため、平成の世に入ると水晶の産地として認知されているようである。特に結晶面の一部が緑色になった水晶は、大いに注目を集め、多くの人が採集に訪れたそう。しかし、とりあえずこのページで紹介するのは、そのズリで産した二次鉱物群である。稀産の燐銅鉱は滋賀県灰山に次ぐ報告で、少量のみ産出に留まっているようだ。